大林剛郎著(公益社団法人大林財団理事長、株式会社大林組代表取締役会長)
ミッテラン大統領下で文化大臣として大胆な文化政策改革を推進。地方自治体への文化予算の移譲をすすめ、地方分権化を推進。フランス革命200周年記念行事では総責任者となりルーブル美術館のガラスのピラミッドや新凱旋門の建設事業を指揮。
『断崖の危機に晒されている文化への支援とは』
成功例として挙げられるのが、フランスのナント、イギリスのグラスゴー、スペインのピルバオといったヨーロッパ都市。
成功の複数の要因は、先ずは立地の良さで、ナントはパリからそれほど遠く離れずに海の近くの暮らしができる土地で、若い世代にとっては魅力的。都市の指導部の戦略チームに発想力があって、芸術家達との協力体制が整っている。ナントの「ニュー・ユニック」は古いビスケット工場を再生・再利用した文化センター。ナント自体が芸術の場となる様に、特に寂れた区画に芸術家たちを呼び集め、彼らの共生的な暮らしを通して活況を取り戻しています。ここで大事なのは、経済が文化のよき隣人として振る舞うこと。
※特に印象に残った箇所は、書き示すことにしています。